Sonata's diary

塗り絵とか写真とか、趣味の記録をマイペースで付けてます

仕事@自分の気持ち@分岐点

以前、文具の仕事をしていました。

離婚をきっかけに、急遽辞めました。辞めざるを得ませんでした。

収入もパートじゃ足りないし、増える予定のない職場では生きていけないから。

 

このたび、新しい職で、いざステップアップできそうだぞというときになって、文房具店の求人を見つけました。

 

某大手に勤務で、社員募集だってしていました。

給料だってもちろん良い。

 

今の職場を辞めるつもりで、面接に挑みました。

年齢的にも、何をどうひねって考えても、私にチャンスはほとんど残っていない。

また、文房具の仕事につけるかもしれない!

これしか頭にありませんでした。

私はまた、あの仕事の現場に返り咲くんだ。こんどは主婦のパートさんじゃなくて、社員として、ステップアップするんだ。文具の道に戻るんだ。

それしか頭にありませんでした。

 

前日、迷うことなく面接地に着けるように、苦手な地図を何時間も見続け、道を記憶しました。今の職場にばれないように、わざわざブラウスを鞄にもっていって、駅のトイレで着替えました。ヒールで走りました。

面接の手ごたえは良かったです。

 

採用が来ました。

 

でも、断りました。

 

面接に行った後から、私の気持ちに変化が生じました。

ふ、と、文具店で働きたいという意欲が薄れた気がしたのです。

面接にも行けて、落ち着いたからかな、と思っていました。

返事がくるまでに期間があったので、面接は本社だったので、売り場を見に行ってみました。さぞ、自分が働けるかもしれないんだ、とワクワクするだろうと思っていました。が、何も思いませんでした。

確かに好きなものを見ている楽しさはあります。でも、店員さんを見ても、売り場を見ても、働けるかもしれないという高揚感はありませんでした。

私、どうしたんだろう?

戸惑いました。

そして、気が付きました。

今の職場の関係のお店に行くときにワクワクしている自分、関連の工事関係の物を見るたびにアレはお客さんと話す時どう話したらいいのかなとか、考えている自分が居ることに。

中途半端に辞めざるを得なかった文房具店に、とんでもなく執着があったらしく、今の仕事は楽しくないと思い込んでいたようだと気が付きました。

 

それだけが理由じゃないけれど、それが一番大きな理由。

おそらく、これほどのチャンスはめぐってこないだろうと思う。けれど、私はそれを蹴った。採用で道が開けたのに。これが、正しいのかどうか、全然わからない。もったいないと言われるだろう。このご時世、社員への道が開かれたというのに、自分で蹴るなんて。

苦しい生活から逃れられたかもしれないのに、それを蹴るなんて。

沢山、私のために時間を割いて相談に乗って下さった方に、心からのお詫びと感謝をLINEやメールでですが、結果報告をしました。

あんなに文具文具と騒いでいたのに、とあきれられるかも知れない。けれど、そのままをお伝えしました。

私は、今の仕事を頑張ろうと思います。と。

 

ここまでも、真実。

けれど、一つだけ封印しようとしている事実がある。

採用をくださったお店は、年数回ではあるが、夜10時を回ることがあると言っていました。

ほとんどの人が、犬より自分の人生を選べと言ってくださいました。それはごもっともな意見で、私もそれが当然だと思います。その方たちにだけ、封印する真実です。

できませんでした。

最初っから、結果はわかってたんだ。

私は、私の勝手で離婚して連れてきたワンコの体内リズムを狂わせてまで、不安にさせてまで、今以上に辛い思いをさせてまで、自分を選べない人間だ

父は、代わりに散歩にいってやると言ってくれた。

でも、実家と私の家はそこそこ離れている。年老いてきて、病気を抱えている父にお願いできる性格じゃない。それに、うちの犬は15キロオーバーの中型犬だ。今ろくに家から出ていない父に、散歩できるとは思えない。ワンコも老犬だとはいえ、軽く引っ張られて父がこけたりしたら、大怪我になる可能性だってある。

 

通常シフトであっても、夜遅くに帰ってきて、やっと帰ってきた私を迎えて、やっと一安心とおもったら、明日のために夜の眠りにつかされる、そんな生活をワンコに強いることは私にはできない。

ワンコが幸せで、私も幸せだ。

いずれ別れは来る。その時には、私には良い話は来ないかもしれない。

生活は苦しいままだ。でもできない。

出来ないよ。

 

今の生活は、ぶっちゃけて、生活保護よりずっと低い年収だ。

何をやってるんだろうと思う。

なにをしてるんだろうと思う。

生きてる意味があるのかとさえ思う。

吐き気がする、めまいがする。臓器を全部吐きだして捨ててしまいたいとさえ思う。

かつて10数年前には、そこそこの高給取りだった私が、なれの果てがこれかと思うと、自嘲した笑いさえ出る。

何を間違えたんだろう。何の罰だろう。

どうして、こんなことになってるんだろう。

 

だけど、結婚していた時よりも、今のほうが断然楽だと思えるのだから、全く持って何が正しいのかなんて、わからない。

人生の底ってまだまだあるのかな。

かつて自分がいた場所が、雲の上のように感じる。

もう簡単にやりたい事なんて見当たらない。

やりたいと思う仕事には大抵ぶつかってきたから。

とりあえず、今の仕事は、興味がないわけじゃないので、続く。

嫌いでもない。今の仕事はどちらかというと好きな方だと思う。

 

もう二度と結婚は御免だ。

でもキャリアを積んでるわけじゃない。

かつての技術はもう、使い古された機械と同じ、役に立たない。

…なんだこの人生。

そう思っても、若い時みたいに、上へ昇ってやるなんて荒い野心が湧き出るわけじゃない。

こんだけ凹んでても、明日はまた笑ってるんだぜ。

だから多分、まだまだ大丈夫だ。