擬人化 2
惑星擬人化小説 2話目
=-=-=はじまり-=-=-=-=
地球の周りには大抵何かが居る。
例えば小鳥とか、例えば猫とか。
今日は分厚い雲がかかった冬空。今にも雪が降りそうだ。冷えた空気が肌を刺す。そんな日だ。
見かけた地球のそばには、珍しく何も居なかった。一目見た時はそう思った。
けれど、地球は足を止めた。
そして、葉もついていない枯れたような木の枝をしばらく眺めてから、微笑んでから止めた歩を進めた。
(いったい何が?)
地球が居た場所まで行って同じように木の枝を眺めてみた。
何の変哲もない木だ。虫でもいるのかと思ったが、蓑虫すらぶら下がっていない。
「どうしたの?火星」
声に振り返ると月が立っていた。
「あー、今さ、地球がなんかに笑いかけてたんだ。なんかあるのかなと思って」
「地球が?」
小首を傾げながら月が寄ってきて、同じく木を見ると、小さく笑った。
「ああ、やっぱりね」
「何?」
「これだよ」
そういって月が指したのは、木の節からわずかに実を膨らませていた新しい芽だった。言われてよく見てみると、木のいたるところにそれは存在した。
「春に花になるんだろうね。実は地球の行動に同じ不思議を感じたことがあってね、聞いてみたことがあるんだよ」
「・・・なるほど・・・」
月が地球の行動について知っていた理由に納得してから、火星はもう一度、枝を見た。
まだ蕾とも呼べない木の色をした花の命。
「こんな時期から長い時間をかけて成長して、花となるんだよ。花だって突然綺麗に咲けるわけじゃないんだね」
「・・・月ってそんなキャラだっけ?」
「って、地球が言ってたよって話でした」
「なるほど・・・」
もう一度納得の意を表してから、火星は枝から目を離した。
その目の前に振り落ちてきたのは冬の象徴、雪だった。
「あぁ、降ってきたなぁ。寒がり太陽は引きこもる事決定だな」自分は寒さに慣れているから平気だけど、と言葉を続けて、火星はその場から動き出した。
=-=-=-おわり=-=-=-
読んでいただいてありがとうございました。
えっと、キャラ設定した方がいいかもしれないですね。
でもでも…(; ̄ェ ̄)
それぞれの惑星を男性、女性、どちらにするか迷うわぁ(´・ω・`)